「すべては○○によって運命づけられる」7

昨今、各被災地でのボランティア希望者が増えている、

と言われている。


実際に被災地に赴き、甚大な被害を目の当たりにする。

自発的に体が動き、汗を流し夢中で手助けする。被害に

遭った人たちから「ありがとう」の言葉をいただく。

心から満たされる、真の他者承認ではないだろうか。


しかし現実の日常生活、学校や職場で同様の評価を

手にする体験など多くの人にはない。そこで日本経済が

活気を取り戻すためには勝者のゲーム、ルールを取り

入れる必要がある。もちろん勝者とは、GAFAのことだ。


GAFAの勝利の要因こそビジネスの「プラットフォーム」に

他者承認、「評価」を組み入れたことだ。無料で簡単に

参加できる「居場所」を提供して、評価されたい人と

評価したい人が出会えるようにする。


無料にする代わりに個人情報を少しいただく。これが

無法地帯になることを避ける条件だ。この「居場所」こそ、

先のマズローの欲求5段階説「社会欲求と愛の欲求」の

所属しているという感覚である。


スターバックスの「サードプレイス:第三の場所」の概念

にも通じる。人々は本質的に家庭でもなくまた職場や学校でもない、

人々が集うことのできる「第三の場所」を求める欲求があると

考えられる。


またアマゾンを、インターネットのオンラインショップが

個人と商品を直接結び付けたことが勝利の要因という記事を

見かける。しかし本来、オンラインショップとはそういうものだ。

単に売り買いを楽に便利に支援するだけのプラットフォームと

思い込んでいると本質を見誤る。


GAFAの脅威を煽る記事も多く見かけるが、脅威を肌で感じて

いる人はごく僅かではないだろうか。いつでもどこでもiPhoneを

使って、グーグルで検索、フェイスブックやインスタグラムを見て、

アマゾンで買い物。


実際、どんな経営者でも社員たちも含めて、プライベートなら

一利用者として満足しているため危機感など持たない。これは

ビジネスにおける「ストックホルム症候群」いや「アマゾン症候群」

ではないか。


アマゾンを利用する経営者は症候群という病気ではなく、むしろ

特殊な状況に陥った時の合理的な判断に由来する状態である。

経営者自身を倒産廃業に陥れたアマゾンの存在に自分を適合させるのは、

当然と言えよう。共感を示し、コミュニケーションをとって、

その存在と販売行為に正当性を見い出そうとするのは病気ではなく、

迎合して生き残るための当然の戦略である。倒すことの出来ない

巨大な敵ならいっそ仲間に入れてもらう。「勝てば官軍、勝ち馬に

乗る」である。


そして「すべては評価によって運命づけられる」

人は他者がいいと評価したものを選ぶ。


まず、アマゾンはレビュー。読んだ本を評価したい、買った商品を

評価したい。人は批評家になりたがる。このレビューが購入を検討する者

から価値があると認められ、尊重されることで「マズローの欲求5段階説」

の「承認(尊重)の欲求」も満たされる。


ただし評価(レビュー)をするには、アマゾンにおける一定金額以上の

購入実績が必要となる。ワンクリックで楽に便利に、簡単に買い物が

できればあえて他社を使う必要もない。囲い込みも万全だ。


楽天は単にネット上のショッピングモールであって、プラットフォーム

ではない。ヤフーショッピングも同様だ。商品は個々の出店者から購入、

別々に配送される。この時点でアマゾンのライバルには程遠い。

面倒なことは店子にやらせて手数料で稼ぐビジネスだ。


例えば楽天やヤフーショッピングの本屋で靴を一緒に買えない。

アマゾンなら何をいくつ買っても、あの箱で一緒に送られてくる。

プラットフォームとはワンストップでなければならない。敢えていうなら、

前高田社長時代のジャパネットたかたが最も近いビジネスモデルだろう。


ジャパネットたかたは創業者のカリスマ性があり、家電だけでなく

宝飾品、食品も取り扱う。様々なメーカーの商品が複数購入でき、

自宅に届く。取付け、設置までしてくれる。


次にグーグルはサイトを検索結果表示順で評価する。サイトの

オーナーにアクセス向上の無料ツールを提供、ゲーム感覚で評価の

向上を競合させる。自分で検索結果を改善できる点が魅力だ。


同じ検索結果でもヤフーにはアクセス向上の無料ツールの提供が

なかった。グーグルは更に、無料ツールをうまく使いこなせない人

向けに有料広告のサービスも提供、上位に特別枠で表示掲載が可能だ。


そしてアップルのブランド力、高価な商品は持つ者の社会的地位

(ステイタス)、引いては客観的な評価を上げることに寄与している。

信者と呼ばれるユーザーたちがエヴァンジェリスト(伝道者:ブランドの

価値をわかりやすく伝え、熱意を持って啓蒙活動に勤しむ)の役割を

果たしている。


またアップルストアでの非日常的な体験(フロアの見えるところに

レジがない=並んで待たなくてもよい、外人スタッフがいる=

海外旅行気分)により豊かさを感じさせる。同様にiPhone本体を

プラットフォームにして公開できるアプリを審査、お墨付きと

して評価する。


フェイスブックは「いいね!」で評価する。みんな、こぞって

情報発信。インスタグラムも同様だ。


ツイッターでのつぶやきも評価されたい気持ちの表れだ。

誰もがみんな「自分が正しい」と思っている。


そんな日本でジョブズが現れない、アップルが生まれないと

いうのは単に視点が異なるだけではないだろうか。任天堂の

宮本茂氏はどうだろうか。


eスポーツを認めない姿勢を見ても、日本ではアニメ・マンガ・

ゲームは未だに子供向けと考えている人たちが多数派なのだろう。

国が積極的に支援しないのも、アニメ・マンガ・ゲームが売れても

税収入が少ないからだ。漫画村などの違法サイト根絶に熱意が

感じられないのもそんな理由ではないだろうか。


しかもここに来て、英国政府は10月29日、大手テクノロジー企業らに

対し2%の「デジタルサービス税」を課す計画を明らかにした。

この税金は利益ではなく、売上に対して課される。想定される

課税対象企業はフェイスブックやグーグル、ツイッター、アップル、

アマゾンなどだ。英国政府は企業がイギリスの消費者から生み出した

売上に対して課税すると述べた。


海外で日本のアニメ・マンガ・ゲームなどのコンテンツ産業は

「クールジャパン」と言われ、人気を博している。GAFAは生活に

密着しているがゆえに、広告収入や投資により無料、もしくは

安価なサービス提供を要求される。


反して、クールジャパンは生活必需品への出費を抑えてまでも

アニメ・マンガ・ゲームなどに支出する人たち(いわゆるオタクと

呼ばれるエヴァンジェリスト)によって支えられている。クール

ジャパンが国内はもちろん、グローバルに受け入れられるのは

GAFAと共通点があるからだ。


その共通点を明らかにしていく。


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クリエイティブ エージェンシー ルキウス

行動経済学とランチェスター経営戦略で御社の発展をお手伝いするマーケティングコンサルタント Support Your Growth & Success.