気づきのマーケティング 5
■ ゴルディロックス効果
売り手側は売れ行きが鈍ってくると、値下げを考えます。
できれば値下げせずに、売上を伸ばしたい。
そんな時はどうすればいいのでしょうか?
そもそも人が、ある対象(仮にAという既存商品)を
評価する場合、Aと比較できるものを探します。
そして両者を検討、その優劣を判断します。
そこで既存商品のAを値下げするのではなく、
Aより高価な比較対象を用意します。
比較対象を作って購入を促すのは、マーケティングの王道です。
わかりやすい例は、車のグレード設定です。
B:基本仕様のみ
A:B + 標準装備
A':A + 豪華オプション仕様
商品に関する情報が少なく価格だけの選択肢が
2つしかないと約7割の人が「安いほう」を選びます。
しかし価格の選択肢が3つになると程度が真ん中の
ものを選びやすい傾向があります。Bは安っぽいし、
A'は高いし、Aが無難と考えるのです。これを
「ゴルディロックス効果」と言います。
「ゴルディロックスと三匹のクマ」という英国の童話で
主人公の少女の名前「ゴルディロックス」が由来です。
ゴルディロックスが森の中のクマの家で、熱すぎず
冷たすぎないスープを選んで飲むことから、ちょうど
いいものを選択する行為を言います。
そこで売りたい価格を「真ん中」に設定して、その前後の
価格帯の商品を並べるのです。
また価格の情報だけを提示するのではなく、差額分が
購入者のメリットとなる情報を併せて表示します。
比較対象を揃えられない場合でも、商品に「価格だけ」を
表示するのではなく「熱意」を込めていきましょう。
販売者の「こだわり」や生産者の「思い入れ」などを
書き込んでいくのです。他にも以下のような例があります。
B:訳あり商品(例:割れせんべい)
A:標準品
A':A+オプション付き(例:無農薬、プリンター付き、など)
情報の表現を変えると消費者の行動も変わります。そのため、差額の
損失分を利得に置き換えて考えられるような、わかりやすい簡単な情報を
表現していくことが重要です。
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