気づきのマーケティング 7

仕事をしている人なら、創業者はもちろん、経営者や社員でも

自分の扱っている商品やサービスに「思い入れ」があるはずです。


ところが、その思い入れを勘違いしている、いわゆる思い込んでいる、

残念な場面に遭遇することが少なくありません。


自分たちが提供する商品やサービスがいいものであることは、

みなさん御承知のはずです。でも、だからといって誰もが

自分たちと同じように会社、その商品やサービスを理解して

くれているはず、という「思い込み」は危険です。


集客や販促について相談にこられた方々に、こんな質問をする

ことがあります。


「あなたの家の近くに、コンビニは何件ありますか?」

「あなたの家の近くに、宅配ピザは何件ありますか?」

「あなたの家の近くに、美容室は何件ありますか?」

「あなたの家の近くに、歯医者は何件ありますか?」


「あなたの家の近くに、コンビニは何件ありますか?」

この質問には、みなさん即答されます。店名もよく知られていますし、

利用頻度も高いためです。


「あなたの家の近くに、宅配ピザは何件ありますか?」

こちらもだいたい件数はお答えいだだけます。利用することは

少なくても、定期的にチラシがポスティングされるためです。


「あなたの家の近くに、美容室は何件ありますか?」

こちらは、ご自分で利用されているお店以外は、すぐには

思い付かない答えです。よほどのことがない限り、利用中の

お店を替える方は少ないでしょう。また新しいお店が出来たり、

あるいは季節の変わり目にチラシがポスティングされることは

あるでしょう。


ところが、美容室の多くは店舗の外見がおしゃれなうえに、

店名が英文字で書かれており、一見して「何のお店か、

わからない」ことも少なくありません。


「あなたの家の近くに、歯医者は何件ありますか?」

この質問も美容室の件とよく似ています。現在、歯医者は

コンビニよりも件数が多いといわれています。しかも、

緊急を要する場合に利用するわけですから、美容室よりも

一見、認知度が高いように思われがちです。


実は、歯科医院の「広告」は、医療法という法律の規制を

受けています。患者さん保護のために、広告に記載して良い

ことと禁じられていることが、細かく決められています。


そのためチラシではなく、ホームページを開設している歯科医が

多いのです。


お店がある、お店の前の通行量も多い、この店の存在はもちろん、

何のお店か、みなに十分わかってもらえているに違いない。


この質問は、認知度に関する「思い込み」をご理解いただくため

のものです。


ところが実際に、商圏エリア内にポスティングを試してみると

来客から大方の予想に反する声を聞くことになります。

「初めて知った」「何のお店か、わからずに入りにくかった」

「最近、出来たのかと思った」


いくら、いい商品や素晴らしいサービスを用意して

準備万端に整えていても、ただ待っているだけでは

誰も気づいてはくれない、注目してはもらえないのです。


「今まで通りでうまくいけるはず」と思うのか、

それとも「このままじゃいけない」と思うのか。


思い込みを払拭して、まずは現状を正しく理解する、

ことが何よりも大切です。



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